HDR Video、Display HDRの仕様を考える……リベンジ。
このところ、いろいろな仕様を公開している。USB関連の仕様やらいろいろだ。
しかし、その前に調べたもので記事としてずっと眠っていたものがあった。それが、HDR Videoの話である。
2017年にHDRの記事を書いているのだが、あれには大誤爆が含まれていたこともあり……
調べが浅かったため、昨年実は何度か調べ直しているのだが、書き換えるのが面倒なので、書き換えていない。
このブログは蓄積型で管理が日記的になっているため、修正が面倒なのだ。指摘されると書き換える記事もあるが、最近は見事にミスっている記事の一部を、放置している。
頭からミスっているAtmosの記事とか、もう笑うしかない。まあ、記事として書くのにCPU関連のIntel Atom xシリーズが多いので、無意識にAtomと入力したのだろうと思う。もう、覚えていない。ちなみに、書いている本人はAtomsではなくAtmosのつもりで書いている。 通りすがりさんが、同じ人かは分かりませんが、いつもご指摘ありがとうございます。今回は、ネタにするという開き直りっぷりで許して……ということで、これは一緒に笑って貰うためのネタとして放置されることになった。
HDRの話も、ちゃんともう一度書き直そうと思っていたが、これまで、満足いくものにならなかった。ネタやアイデアはあっても、記事にすると満足いかないのは、記事の長さという問題もある。ある程度纏まるボリュームが欲しいのだ。
それがようやく、ボリュームを満たし、日の目を見る日がやってきた。
<HDR Video規格>
HDR Videoはディスプレイ上での輝度表現を拡張するために設けられている規格である。一般的な写真などに使われる撮影用のHDRとは異なる。この辺りはこっちの記事で書いたが、この記事のDisplay向けのHDR(HDR Video)の仕様は信じてはいけない。
Display向けのHDRは2018年現在5種類があり、それぞれに仕様が異なる。再生機材(レコーダーやテレビ)がどの方式に対応していて、コンテンツがどれを使っているかによって、HDRが機能するかどうかも変わる。
ただし、一部の表現手法は他のHDR規格を拡張したオプションというケースもあるので、全く機能しない物は少ない。
分かり難く面倒くさい規格である。
その中でまず大まかな方式の違いを説明しようと思う。この2つは根本の仕組みが異なるため、それぞれの対応が必須となる。これは、以前も書いているがPQと、HLGの2つだ。
-輝度を指定するPQ-
PQはHDR高輝度情報を量子化したメタデータを別途備えた方式である。この方式は輝度の上限が1万cd/㎡(カンデラ平方メートル)を越える。尚、1cd/㎡は1nitとして表現されるケースが多いが、nitは意味を知らないと直感的にどれほどの輝度かが理解しにくいので、ここでは比較的使われるカンデラをベースにしたcd/㎡に統一している。
nitが好きな人は、頭の中で1万nitに置き換えて欲しい。
話をPQとHLGに戻すとPerceptual Quantizer(PQ)が、専用のデータ方式である。ちなみに、この互換性というのはSDRと互換性が全く無いという意味ではない。SDR機材でもPQを無視して再生は出来るようだ。
ここでいう互換性というのは、専用のデータ形式故に、既存の放送にHDR映像を載せる場合放送方式にそれを含めて、データ規格を作らなければいけないため、放送機材上の互換性がないという意味である。
-ディスプレイの持つ能力から換算するHLG-
それに対して、放送互換を備えているのが、Hybrid Log-Gamma(HLG)である。ディスプレイにおけるガンマというのは階調を表現する際の近似特性を如何に自然に表現するかを調整する機能、ガンマカーブの設定が知られている。このガンマは、デジタル映像に含まれる色情報(輝度情報)に存在しているがそこに、HDR Video向けの輝度拡張加算を互換性を維持したまま隠れエンコードする方法である。
これは、HDRディスプレイが持つ性能の上限を元に、輝度を当てはめる。
例えば、HDRディスプレイの平均変化輝度が1000cd/㎡であれば、その上限を元にその8割(800cd/㎡)といった具合で処理される。その仕組みを、SDRのデータの中に隠しているわけだ。
いわゆるDolby Prologicのステレオに4ch音声が含まれているといった方法と同じだ。音声ではなく映像のガンマ内にそれを、だまし絵のように隠し込む、ある種の法則に従って読み取ると他のデータが隠れているという方法がこのHLGだ。そのため、HLG非対応のディスプレイでもSDRで再生出来る。
現状ではHLG専用のデコーダーを介した場合に、輝度を凡そ1,000cd/㎡前後まで拡大する。まあ、元々規定値はないため、1万cd/㎡を上限にして処理することもできるようだが、HLG10では初期の仕様として最大が1000cd/㎡として規定されているためそこでリミットが掛かるようだ。SDRとの互換や、HDRディスプレイ毎の差を考慮した場合、1,000cd/㎡前後が一番適当(どのディスプレイでも同じような品質)で再現できるからなのだろう。
ちなみに、後述するが一般的なSDRディスプレイの平均輝度は、200または250cd/㎡~であるため、これでも凄い明るい。
この2つはそれぞれに専用のデコーダーが無ければ、SDRの普通のモニターと同等のダイナミックレンジ(輝度変化量)でしか、再生出来ないのである。ここが前回間違った部分だ。実は、現在のテレビシステムモニターやPCモニターはPQ10のみに対応した製品が多く、それ以外の規格に対応したものは少ない。
それ以外……ってなんぞやというのがこの先だ。
<規格が乱立したPQ方式>
HLGという方式は、実はHLG10というライセンスフリー規格しかない。これは、NHKやBBCなどが開発したテレビ放送向けの技術だが、最近はソニー製のスチルカメラやビデオカメラ、スマートフォン(Xperia)にも採用されている。
問題は、PQ方式だ。正直、これは面倒くさい規格である。
上記の表を見ると、PQには4つの方式が存在する。
-DolbyVision-
一番上はライセンスが発生するDolby方式である。Dolby Visionという言葉を売りにして、搭載しているテレビなどもあるにはある。これが一つ目だ。そしてドルビーが最も高性能な処理を求めている。マルチレイヤーでシングルレイヤーとデュアルで2つの規格が定義されている。12bit(RGB=36bit)の色深度をサポートし、動的なメタデータ割り当てにも対応しているが、ライセンス取得には、ドルビーへの貢ぎが必要である。
まあ、Dolbyらしい規格だ。尚、HDR10との互換性を持っている。
-標準的なHDR10-
2つ目が、HDR10だ。これはSnadpragon 835などが対応し、Xperia XZ1 Premiumなどが対応したことで有名だ。今、HDRと言えば、これに対応している製品がHDRを謳う製品である。ライセンスフリーなので、HDRと言えばこれと言われるまでに普及しつつある。尚、インターフェース規格であるHDMI2.0aがサポートしたHDR10転送モードは、このHDR10を元に定義されている。
-10の後継を目指すHDR10+-
HDR10+(Plus)は、HDR10の強化版である。ダイナミックメタデータと呼ばれる動的な(シーンに合わせた)輝度割り当てを可能にしたことが大きな変更点である。
これは、MaxCLL(Maximum Content Light Level) /MaxFALL(Maximum Frame Average Light Level)をPQ10では最初に規定して、その範囲で全体の映像にPQカーブを設定するが、これをフレーム単位や場所単位で動的に変化させることが出来るというのが、ダイナミックメタデータ(動的メタデータ)の特徴である。
HDR10との互換性を持つ。
-謎のSL-HDR1-
この他にライセンスがよく分からないSL-HDR1という謎規格がある。ビット深度が深いというのが強みだが、Dolby Visionのようにレイヤーを2層持つわけでは無い。これも、HDR10互換は備えていると思われる。
-HLGは1つだけ-
これとは別物としてHLGが存在する。これはHLG10しか今の所ない。まあ、そのうち輝度が1500のHLG15とか出てくるのかもしれないが、今は10のみだ。
PQ10の機能性は低い。メタデータの割り当てもスタティック(コンテンツ1本で上限を定めており、その変更ができない)であり輝度深度に合わせて大きな輝度変化を与えるのは苦手である。まあ、その差が分かるかどうかは、機材とコンテンツ次第だろう。
その間にあるのがPQ10+などの規格だ。たぶん、今後普及していくのはPQ10+だろう。
ちなみに、PQ10の最大輝度は一般的な最大上限であり、コンテンツの全てが10000cd/㎡を上限に制作されているわけで無い。大抵は、2000~4000ぐらいだと言われる。また、Dolby VisonのDual Layerなどでは20,000cd/㎡なども定義できるとか出来ないとか……そもそも、目が違いを感じることが出来る輝度の限界が2万cdの中でそんなコンテンツとディスプレイを作れば目が潰れるかもしれない。
<ディスプレイの基準>
では、これを再生する機材には規格があるのか?
というのは、難しい話だ。正直、それぞれにロゴが付与されるのでそれを見て判断するしかないとか……
-HDMIの対応で伝送出来るデータが変わる-
そういうレベルのようだが、インターフェースとして必要とするHDMIの端子リビジョンは定まっている。以下はその表だ。ここまでは透かしを入れていないが、無断転載は禁止である。
この定義が、正しいのかは正確には分からない面もある。
実を言えば、HDMIで定義されているのは、PQ10への対応を示すスタティックメタデータの伝送に2.0aで対応。
2.0bでHLGの保証をしたこと。
そして、2.1でダイナミックメタデータの転送を保証したことしか書いてないからだ。
ここに明確に他のHDR10+やDVなどの定義はない。2.1の定義となっているDolbyなどは、ダイナミックメタデータを使う。それに基づくと、最小でも2.1に準じたインターフェースを搭載していないと、本来の性能で再生出来ない可能性があるという結論になる。それだけの理由しかない。それらを明確に処理出来るかはやはりロゴなどを付けて対応を明記していないといけないわけで、これだけで対応の説明は出来ない。
-HDRの最小要件を決めるDisplay HDR-
まあ、一応HDRディスプレイには、Display HDRという輝度の最小要件を定めた規格が昨年末に作られたので、ここではそれも表にしている。というより元々開示されている表を日本語化しただけだ。
内容を見れば分かるが、まあHDRディスプレイを名乗る上での最小要件が定められている。
このルールは、LCD(液晶)ではなく高輝度OLED(有機EL)ならきっとこれを軽く越えられるだろう。以前は売られていたプラズマディスプレイパネル(PDP)は開口率の問題があるので、最大輝度方向を考えると、かなり大きなディスプレイで無ければクリアできなかっただろうが……
また、実は今までに発売したテレビなどのディスプレイでも、HDRデコードには対応していないが、これに相当する応答性能や輝度性能、バックライト消灯性能を持つ製品は沢山ある。特に、HDR400と、数年前のローカルディミング付き高級テレビを比べると、HDRなしの高級テレビの方が綺麗なんて話も出てくるかも知れない。
そのぐらいHDR400は軽いものである。まあ、ロゴを売るためのものだと思えばよい。
それに対して、本命は600以上である。そして、1000になるとHLG10水準が十分に処理出来る。あれ、PQ10はというと……。
何となく製品が出てくると分かるのだろうが、これでHDR400パネルが値上がりしていたら……ディスプレイを値上げするための、ブランド戦略かもしれない。
しかし、その前に調べたもので記事としてずっと眠っていたものがあった。それが、HDR Videoの話である。
2017年にHDRの記事を書いているのだが、あれには大誤爆が含まれていたこともあり……
調べが浅かったため、昨年実は何度か調べ直しているのだが、書き換えるのが面倒なので、書き換えていない。
このブログは蓄積型で管理が日記的になっているため、修正が面倒なのだ。指摘されると書き換える記事もあるが、最近は見事にミスっている記事の一部を、放置している。
頭からミスっているAtmosの記事とか、もう笑うしかない。まあ、記事として書くのにCPU関連のIntel Atom xシリーズが多いので、無意識にAtomと入力したのだろうと思う。もう、覚えていない。ちなみに、書いている本人はAtomsではなくAtmosのつもりで書いている。 通りすがりさんが、同じ人かは分かりませんが、いつもご指摘ありがとうございます。今回は、ネタにするという開き直りっぷりで許して……ということで、これは一緒に笑って貰うためのネタとして放置されることになった。
HDRの話も、ちゃんともう一度書き直そうと思っていたが、これまで、満足いくものにならなかった。ネタやアイデアはあっても、記事にすると満足いかないのは、記事の長さという問題もある。ある程度纏まるボリュームが欲しいのだ。
それがようやく、ボリュームを満たし、日の目を見る日がやってきた。
<HDR Video規格>
HDR Videoはディスプレイ上での輝度表現を拡張するために設けられている規格である。一般的な写真などに使われる撮影用のHDRとは異なる。この辺りはこっちの記事で書いたが、この記事のDisplay向けのHDR(HDR Video)の仕様は信じてはいけない。
Display向けのHDRは2018年現在5種類があり、それぞれに仕様が異なる。再生機材(レコーダーやテレビ)がどの方式に対応していて、コンテンツがどれを使っているかによって、HDRが機能するかどうかも変わる。
ただし、一部の表現手法は他のHDR規格を拡張したオプションというケースもあるので、全く機能しない物は少ない。
分かり難く面倒くさい規格である。
その中でまず大まかな方式の違いを説明しようと思う。この2つは根本の仕組みが異なるため、それぞれの対応が必須となる。これは、以前も書いているがPQと、HLGの2つだ。
-輝度を指定するPQ-
PQはHDR高輝度情報を量子化したメタデータを別途備えた方式である。この方式は輝度の上限が1万cd/㎡(カンデラ平方メートル)を越える。尚、1cd/㎡は1nitとして表現されるケースが多いが、nitは意味を知らないと直感的にどれほどの輝度かが理解しにくいので、ここでは比較的使われるカンデラをベースにしたcd/㎡に統一している。
nitが好きな人は、頭の中で1万nitに置き換えて欲しい。
話をPQとHLGに戻すとPerceptual Quantizer(PQ)が、専用のデータ方式である。ちなみに、この互換性というのはSDRと互換性が全く無いという意味ではない。SDR機材でもPQを無視して再生は出来るようだ。
ここでいう互換性というのは、専用のデータ形式故に、既存の放送にHDR映像を載せる場合放送方式にそれを含めて、データ規格を作らなければいけないため、放送機材上の互換性がないという意味である。
-ディスプレイの持つ能力から換算するHLG-
それに対して、放送互換を備えているのが、Hybrid Log-Gamma(HLG)である。ディスプレイにおけるガンマというのは階調を表現する際の近似特性を如何に自然に表現するかを調整する機能、ガンマカーブの設定が知られている。このガンマは、デジタル映像に含まれる色情報(輝度情報)に存在しているがそこに、HDR Video向けの輝度拡張加算を互換性を維持したまま隠れエンコードする方法である。
これは、HDRディスプレイが持つ性能の上限を元に、輝度を当てはめる。
例えば、HDRディスプレイの平均変化輝度が1000cd/㎡であれば、その上限を元にその8割(800cd/㎡)といった具合で処理される。その仕組みを、SDRのデータの中に隠しているわけだ。
いわゆるDolby Prologicのステレオに4ch音声が含まれているといった方法と同じだ。音声ではなく映像のガンマ内にそれを、だまし絵のように隠し込む、ある種の法則に従って読み取ると他のデータが隠れているという方法がこのHLGだ。そのため、HLG非対応のディスプレイでもSDRで再生出来る。
現状ではHLG専用のデコーダーを介した場合に、輝度を凡そ1,000cd/㎡前後まで拡大する。まあ、元々規定値はないため、1万cd/㎡を上限にして処理することもできるようだが、HLG10では初期の仕様として最大が1000cd/㎡として規定されているためそこでリミットが掛かるようだ。SDRとの互換や、HDRディスプレイ毎の差を考慮した場合、1,000cd/㎡前後が一番適当(どのディスプレイでも同じような品質)で再現できるからなのだろう。
ちなみに、後述するが一般的なSDRディスプレイの平均輝度は、200または250cd/㎡~であるため、これでも凄い明るい。
この2つはそれぞれに専用のデコーダーが無ければ、SDRの普通のモニターと同等のダイナミックレンジ(輝度変化量)でしか、再生出来ないのである。ここが前回間違った部分だ。実は、現在のテレビシステムモニターやPCモニターはPQ10のみに対応した製品が多く、それ以外の規格に対応したものは少ない。
それ以外……ってなんぞやというのがこの先だ。
<規格が乱立したPQ方式>
HLGという方式は、実はHLG10というライセンスフリー規格しかない。これは、NHKやBBCなどが開発したテレビ放送向けの技術だが、最近はソニー製のスチルカメラやビデオカメラ、スマートフォン(Xperia)にも採用されている。
問題は、PQ方式だ。正直、これは面倒くさい規格である。
上記の表を見ると、PQには4つの方式が存在する。
-DolbyVision-
一番上はライセンスが発生するDolby方式である。Dolby Visionという言葉を売りにして、搭載しているテレビなどもあるにはある。これが一つ目だ。そしてドルビーが最も高性能な処理を求めている。マルチレイヤーでシングルレイヤーとデュアルで2つの規格が定義されている。12bit(RGB=36bit)の色深度をサポートし、動的なメタデータ割り当てにも対応しているが、ライセンス取得には、ドルビーへの貢ぎが必要である。
まあ、Dolbyらしい規格だ。尚、HDR10との互換性を持っている。
-標準的なHDR10-
2つ目が、HDR10だ。これはSnadpragon 835などが対応し、Xperia XZ1 Premiumなどが対応したことで有名だ。今、HDRと言えば、これに対応している製品がHDRを謳う製品である。ライセンスフリーなので、HDRと言えばこれと言われるまでに普及しつつある。尚、インターフェース規格であるHDMI2.0aがサポートしたHDR10転送モードは、このHDR10を元に定義されている。
-10の後継を目指すHDR10+-
HDR10+(Plus)は、HDR10の強化版である。ダイナミックメタデータと呼ばれる動的な(シーンに合わせた)輝度割り当てを可能にしたことが大きな変更点である。
これは、MaxCLL(Maximum Content Light Level) /MaxFALL(Maximum Frame Average Light Level)をPQ10では最初に規定して、その範囲で全体の映像にPQカーブを設定するが、これをフレーム単位や場所単位で動的に変化させることが出来るというのが、ダイナミックメタデータ(動的メタデータ)の特徴である。
HDR10との互換性を持つ。
-謎のSL-HDR1-
この他にライセンスがよく分からないSL-HDR1という謎規格がある。ビット深度が深いというのが強みだが、Dolby Visionのようにレイヤーを2層持つわけでは無い。これも、HDR10互換は備えていると思われる。
-HLGは1つだけ-
これとは別物としてHLGが存在する。これはHLG10しか今の所ない。まあ、そのうち輝度が1500のHLG15とか出てくるのかもしれないが、今は10のみだ。
PQ10の機能性は低い。メタデータの割り当てもスタティック(コンテンツ1本で上限を定めており、その変更ができない)であり輝度深度に合わせて大きな輝度変化を与えるのは苦手である。まあ、その差が分かるかどうかは、機材とコンテンツ次第だろう。
その間にあるのがPQ10+などの規格だ。たぶん、今後普及していくのはPQ10+だろう。
ちなみに、PQ10の最大輝度は一般的な最大上限であり、コンテンツの全てが10000cd/㎡を上限に制作されているわけで無い。大抵は、2000~4000ぐらいだと言われる。また、Dolby VisonのDual Layerなどでは20,000cd/㎡なども定義できるとか出来ないとか……そもそも、目が違いを感じることが出来る輝度の限界が2万cdの中でそんなコンテンツとディスプレイを作れば目が潰れるかもしれない。
<ディスプレイの基準>
では、これを再生する機材には規格があるのか?
というのは、難しい話だ。正直、それぞれにロゴが付与されるのでそれを見て判断するしかないとか……
-HDMIの対応で伝送出来るデータが変わる-
そういうレベルのようだが、インターフェースとして必要とするHDMIの端子リビジョンは定まっている。以下はその表だ。ここまでは透かしを入れていないが、無断転載は禁止である。
この定義が、正しいのかは正確には分からない面もある。
実を言えば、HDMIで定義されているのは、PQ10への対応を示すスタティックメタデータの伝送に2.0aで対応。
2.0bでHLGの保証をしたこと。
そして、2.1でダイナミックメタデータの転送を保証したことしか書いてないからだ。
ここに明確に他のHDR10+やDVなどの定義はない。2.1の定義となっているDolbyなどは、ダイナミックメタデータを使う。それに基づくと、最小でも2.1に準じたインターフェースを搭載していないと、本来の性能で再生出来ない可能性があるという結論になる。それだけの理由しかない。それらを明確に処理出来るかはやはりロゴなどを付けて対応を明記していないといけないわけで、これだけで対応の説明は出来ない。
-HDRの最小要件を決めるDisplay HDR-
まあ、一応HDRディスプレイには、Display HDRという輝度の最小要件を定めた規格が昨年末に作られたので、ここではそれも表にしている。というより元々開示されている表を日本語化しただけだ。
内容を見れば分かるが、まあHDRディスプレイを名乗る上での最小要件が定められている。
このルールは、LCD(液晶)ではなく高輝度OLED(有機EL)ならきっとこれを軽く越えられるだろう。以前は売られていたプラズマディスプレイパネル(PDP)は開口率の問題があるので、最大輝度方向を考えると、かなり大きなディスプレイで無ければクリアできなかっただろうが……
また、実は今までに発売したテレビなどのディスプレイでも、HDRデコードには対応していないが、これに相当する応答性能や輝度性能、バックライト消灯性能を持つ製品は沢山ある。特に、HDR400と、数年前のローカルディミング付き高級テレビを比べると、HDRなしの高級テレビの方が綺麗なんて話も出てくるかも知れない。
そのぐらいHDR400は軽いものである。まあ、ロゴを売るためのものだと思えばよい。
それに対して、本命は600以上である。そして、1000になるとHLG10水準が十分に処理出来る。あれ、PQ10はというと……。
何となく製品が出てくると分かるのだろうが、これでHDR400パネルが値上がりしていたら……ディスプレイを値上げするための、ブランド戦略かもしれない。
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