21歳「自作のパソコンから火」母子2人搬送……自作に限らずゼロではない事故。

読売新聞の記事である。自作ユーザーの多くは、たぶん意識することもないのだろうし、これはありえないと思う人もいるかもしれないが、実際に起きる可能性は自作PCに限らずあり得る。特に冬場と梅雨時期は……。
冬場は湿度が低く乾燥しているので、家電製品や電気製品を弄るには向かない時期だ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180202-OYT1T50063.html?from=ytop_main9

私は、PCの保守(修理)からプログラミングまでいろいろやってきたので、いえるが冬場で一番怖いのは、湿度が低いがゆえに、スパーク(静電気や漏電)が発生するとその火花だけでほこりなどに着火することがあるという点だろう。
もし、埃や薄い紙屑などに火花が飛び散れば、燃えることもある。

冬場の湿度の低さは舐めてはいけない。だから、仕事なら別だがわざわざ冬場に、耐久ベンチマークとか、過度なオーバークロックとは挑戦しないほうが良い。


もう一つは、パソコンの電源を夜落として、朝まで放置した後電源を入れると、窓際の床などに直置きしていると、本体内部の回路や電源部のコンデンサ周辺に霜がつき、結露して漏電することがある。これが起きると、スパークではすまず、下手をすればコンデンサが破裂して本当に大きく発火する。その周囲に埃でもついていようものなら、すぐに消火器でも使わない限り、燃え広がるだろう。

冬場と梅雨時期に家電から出火する場合で多いのは、この漏電火災である。一般にトラッキング現象と呼ばれるが、多くの人はコンセントプラグで発生すると考えるケースが多いが、実は電流が流れる回路同士が結露と埃などの伝導部でつながると、どこでも起きるのである。主に梅雨時期にこの問題は取り上げられることも多いが、大きな火災につながりやすいのは、冬場である。空気中の湿度が低いため、もの(埃、木くず、ゴミなど)の大半がカラカラに乾いているため、少ない炎でも着火しやすいのだ。
https://www.chuden.co.jp/home/information/use/plug/tracking/index.html


もし、自作PCだから発火するとしたら何が原因か?

普通に考えると、動きがおかしい古い電源ユニットやパーツを使いまわしていた場合が一番可能性が高い。
これは、電源が突然落ちることがある、OS側に問題はなさそうなのに、システムがフリーズする。高い負荷を与えるとリセットが掛かるなどの症状がある場合に発生する恐れがある。この場合は早めに電源ユニットを買い替えないと大惨事になるかもしれない。古いハードだと電源から火花なんてのはある。

次に、液体窒素などで冷却しながら使う高度オーバークロック環境を使っている場合だろう。この場合は、上記しているが過冷却による結露を防ぐ工夫をしないと、回路がショートし、埃などに着火する恐れがある。

また、オーバークロックで昇圧している場合、CPU等に電源を供給する回路の一部は、通常より電流、電圧が高くなるため、ショートすると大きな火花が出やすくなるのも特徴だ。

最近のPCなら通常はこの3点ぐらいだろうか?あとは、基盤やパーツを手作りしてというケースもあるにはあるが、そこまでできる人は、PCに組み込む前に裸で動作テストをするだろう。

あとは、電源ケーブルを加工したとか、電圧の異なる電源を使ったという可能性もある。特に、MicroUSBやType-Cのケーブルを使う電源供給だと、USB PDの示す電源供給の上限と、ケーブルが許容する電圧などの違いが存在するケースもあり、ケーブルから発火というのは、この最近結構あるようだ。たいていの場合は、ケーブルを縛っていたり、扱いの問題で断線していることも多いが……。自作の場合は、ケース蓋に挟まっていたり、冷却フィンやファンに挟まってというのはあるかもしれない。

そのほかに何かあるかというと、最近のPCではほぼないだろう。なぜなら、昔とは違って今の自作パーツは、同じデザインの端子やポートで電圧仕様が異なるものや、動作互換が異なるものはほぼないからだ。もし、適合していなかったとしても、動かないだけにとどまるようになっている。

昔は、同じ部品なのに電圧違いや同じ形状のケーブル端子なのに、これを挿したらヤバイなんてものも結構あった。



ただ、たいていは先に書いたように、自作だから燃えるわけではなく、自作じゃなくても、燃えるパターンである。特に、冬場は空気が乾燥しているので埃に火花が飛ぶだけで発火することがある。これは、家電全般に言えることである。だから、掃除をすることが重要である。

まあ、内部ができなくても、周りぐらいならだれにでもできるだろう。

あとは、2階建ての2階部屋でパソコンを使う場合、前日に暖房を使った後、パソコンや暖房の電源を落として、眠り、下の階で炊事を始めた後に、2階の冷えた部屋のコンピュータの電源を入れたりすると、結露しやすくなる。これは、1階の炊事で出た湿気が、上階に上り冷やされることで、飽和水蒸気となって結露するからだ。しかも、前日に暖房で暖気していると、温度を上げていた時に空気中に増えていた水蒸気も、朝の温度低下で飽和してしまい水に戻ってしまう。

結露する場所は、主に金属など熱を逃がしやすい部分であるため、電子回路などにも結露が発生することがある。そのため、冬場は、動いていないパソコンや家電から煙が出てしまうことや、電源を入れたとたんに、壊れてしまうことが結構ある。

これを防ぐには、部屋を十分に暖めてから電源を入れるのが良い。また、間違っても窓際などに付ける形や、冷気が直接やってくるような床に設置する形で家電製品を設置しないほうが良い。これは高断熱・高気密住宅ほど発生しやすい。



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