IntelがAMD GPU内蔵Coreプロセッサを発表……Intelには最高。AMDの株価上がるも?

このニュースは端的に言えば、Kabylake-Gが商品になったということだ。

IntelのKabylakeシリーズはR(Refresh)とGが第8世代を名乗り、S、H、Uが7世代となる。ちなみに、Core X(iGPUがない製品)はここに含まない。玄人にとっても、ちゃんと追い続けないと、混沌に巻き込まれそうなレベルである。昔は、1世代でもいくつかの開発名に切り替わることが多かったが、それが2世代1つのアーキテクチャ刷新と、1世代に1つの開発名ベースとなり、今ではリフレッシュ続きで、改良が大して加わっていないのに7世代となり、最後は同じ名称でCore 7世代と8世代が混在するまでになった。IntelのCPU販売における苦しみがよく分かる。

本題である。

この製品に関して言えばIntelにとって不利な部分は何一つない。むしろ喜びの方が大きいだろう。

しかし、RYZENで成功を収めつつあるAMDの利点が微妙だ。まあ、この計画が出たときにはRYZENやVegaの成功は予想していなかっただろうし、未だにAMDはGPU統合のRYZEN販売にこぎつけておらず、いろいろあるのだろうが……。ただ、これでAMDの株価が上がるというのが、近年は長期投資より、投機の姿勢が強いことを示しているという経済的な観測も出来る。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1090107.html
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1054618.html

ちなみに、CPUコア数は最大4コアになる見込み。そして、積層メモリーのHBM2を使っているため、最先端の3Dも容易に扱える程度の性能を示すのは間違いないようだ。HBM2の帯域幅は見込みでは256GB/s~384MB/s程度と予想されており、搭載容量もGB単位になると考えられる。eDRAMが多くても64MB~128MBだったことを考えると途方もない容量である。尚搭載GPUは噂通りならAMD Vega(GCN 5th gen)である。まあ、そうでなくともAMD Arctic Islands(GCN 4th gen)世代だろうから、今の最上位Iris Plus Familyの700GFlops~900GFlopsより、1段~2段(1TFlopsを超えるか?)は性能が上がると予想される。


先に書いたように、今のAMDならIntelと組まずともRyzenとVegaの組み合わせで、Intelを上回る製品を出せそうだが……たぶん、Embedded Multi-Die Interconnect Bridge辺りの技術ライセンスにあるのかもしれない。これのライセンスをIntelがAMDに提供する代わりにAMDのGPUをこの世代では提供するとか、何かAMDにも利点があるとすれば、両者にとってマイナスはない。

確かなことはDTR等のノートPC市場やデスクトップPC市場においてこのKabylake-Gが以前より小型(コンパクト)で、パワフルな製品を提供するようになるということと、このタッグはnVIDIAのGPU戦略に相応の影響を与える可能性が高いということだ。だから、nVIDIAはゲーム機コンソールやHPCに力を注ぐのだろう。


<欠点があるとすれば……未知であることとお値段>

この手の製品に欠点があるとすれば、それは未知の製品と言うことだろう。

一番怖いのはドライバ保守がどこまで提供されるか?という点だ。この手のタッグを組んだ製品に多いのは、鳴り物入りで登場して、1年後には分裂し、2年後にはドライバ保守がWindows Updateのみのひっそりになり、3~4年後のOSアップグレードを境に、ドライバがない。というパターンが結構あることだ。RADEON系のIGP(結構長かったけど……)、Atom Z2xxx(PowerVR)、nVIDIA ION系などいろいろあったが、長く続かなかったものは、保守が短くなる。


特に戦略技術の提携を昇華させた場合は、初期製品のみ共同開発し、その後は相互ライセンスを使って独自に作り始めるため、1世代目が一緒で、凄い物でも2世代目以降に続かないと、保守は途中で切られることも多い。そこが学習しておかないといけない点だろう。

あとは、お値段だ。きっとこれは安くはないと思われる。
GPU性能が大幅に上がっていることが予想され、ディスクリートGPU製品とCPUの組み合わせよりは安いが、CPU単体として考えると高いレベルにはなるだろう。場合によっては、小型化などのアドバンテージが売りとなり、ディスクリートGPUとCPUの組み合わせより高めに設定されることもあり得る。

どういう製品に使われるかにもよるが、登場してもよほど新しいもの好きや、結構頻繁に買い換える人でないなら、Kabylake-G世代は様子を見た方がよいのかもしれない。

まあ、ゲーマーやクリエーターの大半は例え高性能でもノートPCやよほど小ささを求める場合でなければ、Internal(内部)GPUより、ディスクリートGPU(独立したGPU)を選ぶだろう。その方が、GPUの交換も出来るため、結果的に安くより高性能に長く使えるケースが多いからだ。


商品が登場してみないことには分からないが、これはコンパクトなデスクトップやDTRノートの新しい形を提供するのには、打ってつけだろう。ただ、これはまだあくまで鳴り物なのだ。この後にAMD-GPUとIntel-CPUのタッグ世代が続くのかどうかを見極めないと、後であれれ……という可能性もある。そこが一番心配なところである。









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この記事へのコメント

かるろす
2017年11月08日 23:02
AMDからしたらdGPU無しな構成が一番多いノートPC(しかもIntel CPU採用)に潜り込めるのは大きいと思いますが、ドライバサポートは確かに心配ですね
コア自体に手を入れてなければAMDリファンレスなドライバでいけそうですが、そもそもMac専用ではないかとの観測もチラホラ・・
もしMac専用ならAppleが責任をもって提供するだろうから問題はなさそうですが、windowsユーザーとしては寂しい話です
waka
2017年11月24日 14:36
これは過去に苦い思いをしたATI Imageon(現SnapdragonのGPU Adreno)の様にならず両社のブランドイメージを維持したまま進んで行こうという業界の想いなんだと思います。頑張って欲しいですね。

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