HDD14TB時代へ……ただし、シーケンシャル専用です。
PC Watchの記事であるが、意味が分からなかったので、同社の発表資料を漁ってみた。
2つ目のPDFに書かれている。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1084275.html
http://www.hgst.com/sites/default/files/resources/Ultrastar-Hs14-DS.pdf
http://www.hgst.com/sites/default/files/resources/HGST-Helium-Technology-BR03.pdf
それによると、これは一般向けを全く想定していない製品であることが分かる。要は、データセンター専用のディスクなのだ。何が違うのかというと、これまでのSMRドライブは、書き込みの時にHDD上にキャッシュ領域も作っていたが、たぶんこのタイプでは、それを減らしているか、廃止しているのだろう。
書き込みの要求を行うホスト側(コンピュータ側)で全ての制御を行うため、瓦状に重ね書き(SMR)をする都合上、突然舞い込んでくるランダムデータの書き込みは、想定していないようだ。要は、本当に長期間保管する大きなデータだけを保存するためのものと言うことだ。
そこで、もしもそういうランダムデータがやって来た場合に、書き込んだように見せかける仕組みを作り、キャッシュ(緩衝用メモリー装置)として機能させる必要がある。そこで使われるのが、カーネル空間(スワップ/仮想メモリーに相当)にインターフェース(HDD代わり)のキャッシュを置くということだと思われる。それを、専用の命令コード(ドライバ)でアプリケーションと共有することで、パフォーマンスを落とさないように配慮するのだろう。
何故、そんな仕様にしたのかというと、単純だ。
SMRでは、データを瓦のように同じ場所にずらして書き込んでいる。もし、瓦状の書き込みに対して変更があると、その書き込んだデータを一度どこかに移動させ、もう一度纏めて書き込む必要があった。昔のように、1の場所に1つのデータがある訳では無く、1つの場所に1.5や2.5個のデータがあるようなものだ。その0.5個分の重なりが、連なっていると、書き換えや一部のデータ消去を行った際、連なりがほどける場所(0.5で重ならなくなる場所)まで、全て読み取って、書き換えなければいけない。
そこで、これまではバッファメモリーに収まらないサイズの変更があれば、ハードディスク上にキャッシュエリアを設けていた。書き換えや消去、または割り込みがあった場合、そこに変更後のデータを置いて、そこから再び、もとの位置に戻していた訳だ。
これが、SMRタイプのハードディスクが遅くなる原因でもあった。しかし、今回のデータセンター用ディスクでは、そのようなHDD上のキャッシュエリアを完全に廃して、ホストから直接書き込む仕組みに変更されたと思われる。
そのため、これまでディスク側で行って整列を、ホスト側のアプリケーションやOSで、予め終了させる必要があるという訳だ。それに必要なのが、HDD上に作っていたキャッシュエリアの代わりを作ること、キャッシュエリアに書き込む際に使っていた内部コマンド命令を外側で、受け渡すアプリケーションセットが必要というわけだ。
これによって、ディスクアクセスの速度も上がり、瓦書込の特性も変更され、既存より大きな12TBから14TBに容量が増えたのかもしれない。
まあ、これは、SSDに対するHDDの遅さもあるのだろう。特に、SMRモデルはSSDよりランダムアクセスが遅い。だから、ホストベースに切り替えることを求められた可能性が高い。一方でもう一つ、気になる点がある。
<容量増加の壁か、それとも速度問題だけか?>
実は、この後通常型SMRタイプHDDが14TBで登場することがなければ、たぶんヘッドの性能(処理能力)に限界が近い可能性が高い。ヘッドに新しい技術が投入されるまで、容量アップは難しくなるということだ。そもそも、ピッチ幅を狭くしたディスクが本来のランダムアクセス性能を持つHDDである。SMRは簡単に言えば、容量を少しでも増やすために編み出されたディスク記録手法である。
SMRではないディスクの容量が増えれば、SMRディスクも容量が増えることになるが、増えなければSMRも増えない。そういう関係にある。もし、この後に通常のSMRディスクで14TBが出なければ、今何らかの限界にHDD業界はぶち当たっていることになる。
即ち、容量問題があって、これに加えて速度も考えた結果このようなディスクをWDが出したのか、何らかの理由で既にピッチを狭めるのが難しいのか?どちらかによって、今後のHDD容量アップの方向性が変わるということになる。
まあ、最近はディスク容量アップも緩やかだ。一時期は、1年で倍以上4倍~10倍という時代もあった。それに似た状況になっているのが今では、SSDという状況で、SSDは速度も恐ろしい速さで向上している。ただ、SSDは大容量記録時の信頼性にどうしても問題がある。所謂書き換えの少ない蓄積型のデーターセンターには使い難いわけだ。
蓄積型はウェアレベリングの精度がディスク使用量が増えるほど低下するため、信頼性に影響するためだ。
そのため、頻繁に使うデータでないなら、HDDが求められる面も多い。それなのに容量は増えず速度は以前より落ちるSMRは、使い難いだろう。だからこそ、こういう製品が出てくるのだと思われる。
この先、HDDの容量が増えないなら、昔のように5インチディスクでもよいからという、ニーズも既にあるが、今のペースだと、SSDの容量アップに対して、HDDの容量アップは遅い。近い将来データセンターは4インチ、5インチHDDという時代が本当に来るかも知れない。何せデータセンターのデータ量はものすごいスピードで増殖しているのだから。
2つ目のPDFに書かれている。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1084275.html
http://www.hgst.com/sites/default/files/resources/Ultrastar-Hs14-DS.pdf
http://www.hgst.com/sites/default/files/resources/HGST-Helium-Technology-BR03.pdf
それによると、これは一般向けを全く想定していない製品であることが分かる。要は、データセンター専用のディスクなのだ。何が違うのかというと、これまでのSMRドライブは、書き込みの時にHDD上にキャッシュ領域も作っていたが、たぶんこのタイプでは、それを減らしているか、廃止しているのだろう。
書き込みの要求を行うホスト側(コンピュータ側)で全ての制御を行うため、瓦状に重ね書き(SMR)をする都合上、突然舞い込んでくるランダムデータの書き込みは、想定していないようだ。要は、本当に長期間保管する大きなデータだけを保存するためのものと言うことだ。
そこで、もしもそういうランダムデータがやって来た場合に、書き込んだように見せかける仕組みを作り、キャッシュ(緩衝用メモリー装置)として機能させる必要がある。そこで使われるのが、カーネル空間(スワップ/仮想メモリーに相当)にインターフェース(HDD代わり)のキャッシュを置くということだと思われる。それを、専用の命令コード(ドライバ)でアプリケーションと共有することで、パフォーマンスを落とさないように配慮するのだろう。
何故、そんな仕様にしたのかというと、単純だ。
SMRでは、データを瓦のように同じ場所にずらして書き込んでいる。もし、瓦状の書き込みに対して変更があると、その書き込んだデータを一度どこかに移動させ、もう一度纏めて書き込む必要があった。昔のように、1の場所に1つのデータがある訳では無く、1つの場所に1.5や2.5個のデータがあるようなものだ。その0.5個分の重なりが、連なっていると、書き換えや一部のデータ消去を行った際、連なりがほどける場所(0.5で重ならなくなる場所)まで、全て読み取って、書き換えなければいけない。
そこで、これまではバッファメモリーに収まらないサイズの変更があれば、ハードディスク上にキャッシュエリアを設けていた。書き換えや消去、または割り込みがあった場合、そこに変更後のデータを置いて、そこから再び、もとの位置に戻していた訳だ。
これが、SMRタイプのハードディスクが遅くなる原因でもあった。しかし、今回のデータセンター用ディスクでは、そのようなHDD上のキャッシュエリアを完全に廃して、ホストから直接書き込む仕組みに変更されたと思われる。
そのため、これまでディスク側で行って整列を、ホスト側のアプリケーションやOSで、予め終了させる必要があるという訳だ。それに必要なのが、HDD上に作っていたキャッシュエリアの代わりを作ること、キャッシュエリアに書き込む際に使っていた内部コマンド命令を外側で、受け渡すアプリケーションセットが必要というわけだ。
これによって、ディスクアクセスの速度も上がり、瓦書込の特性も変更され、既存より大きな12TBから14TBに容量が増えたのかもしれない。
まあ、これは、SSDに対するHDDの遅さもあるのだろう。特に、SMRモデルはSSDよりランダムアクセスが遅い。だから、ホストベースに切り替えることを求められた可能性が高い。一方でもう一つ、気になる点がある。
<容量増加の壁か、それとも速度問題だけか?>
実は、この後通常型SMRタイプHDDが14TBで登場することがなければ、たぶんヘッドの性能(処理能力)に限界が近い可能性が高い。ヘッドに新しい技術が投入されるまで、容量アップは難しくなるということだ。そもそも、ピッチ幅を狭くしたディスクが本来のランダムアクセス性能を持つHDDである。SMRは簡単に言えば、容量を少しでも増やすために編み出されたディスク記録手法である。
SMRではないディスクの容量が増えれば、SMRディスクも容量が増えることになるが、増えなければSMRも増えない。そういう関係にある。もし、この後に通常のSMRディスクで14TBが出なければ、今何らかの限界にHDD業界はぶち当たっていることになる。
即ち、容量問題があって、これに加えて速度も考えた結果このようなディスクをWDが出したのか、何らかの理由で既にピッチを狭めるのが難しいのか?どちらかによって、今後のHDD容量アップの方向性が変わるということになる。
まあ、最近はディスク容量アップも緩やかだ。一時期は、1年で倍以上4倍~10倍という時代もあった。それに似た状況になっているのが今では、SSDという状況で、SSDは速度も恐ろしい速さで向上している。ただ、SSDは大容量記録時の信頼性にどうしても問題がある。所謂書き換えの少ない蓄積型のデーターセンターには使い難いわけだ。
蓄積型はウェアレベリングの精度がディスク使用量が増えるほど低下するため、信頼性に影響するためだ。
そのため、頻繁に使うデータでないなら、HDDが求められる面も多い。それなのに容量は増えず速度は以前より落ちるSMRは、使い難いだろう。だからこそ、こういう製品が出てくるのだと思われる。
この先、HDDの容量が増えないなら、昔のように5インチディスクでもよいからという、ニーズも既にあるが、今のペースだと、SSDの容量アップに対して、HDDの容量アップは遅い。近い将来データセンターは4インチ、5インチHDDという時代が本当に来るかも知れない。何せデータセンターのデータ量はものすごいスピードで増殖しているのだから。
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