Core i9-7900X登場もRYZENが光る……バランスの良さ。

Core i9(Skylake-Xシリーズ)の本格的なベンチマークが公開された。

性能は高いといえるが、一方で、昔見たPentium DベースのExtreme Editionの雰囲気を思い出す。何と言うべきか、性能は上なのだが、RYZEN 7と比べて電力バランスや発熱バランスが微妙だ。悪い訳では無いが、RYZENがよく作り込まれていることが見て取れる。

それに加えて、コア数の純増に対して性能が大きく伸びるベンチが減少し、そうではないソフトウェアが増えているのも痛い。

Cinebenchが扱うような、物理演算(モデリングなどが)目的なら大幅な性能向上が期待できるが、ゲーマーが扱う用途ぐらいなら、CPUはRYZENやCore i7 7700Kぐらいに投資してGPUやSSDを強化した方が幸せだろう。何より、パフォーマンスの割に値段が高いだろう。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/review/1067611.html
http://ascii.jp/elem/000/001/504/1504065/index-3.html

現状で、Core i9-7900Xはそういう用途向けにはおすすめできるが、コストパフォーマンスなどバランスを見ると、ちょっと歩が悪い。


<AVX-512Fもアプリケーション待ち>

AVXはその昔なら、動画のエンコードやデコードに力を発揮すると言われたが、今ではNVIDIA NVENCやAMD VCE、Intel QSVもある、これにOpenCLやCUDAが加わると、CPUにさらに長いSIMDを積極的に使うケースは減っていく。SSE時代やAVXぐらいまでは、フリーソフトウェアを中心に先行対応も多かったが、今はベンチマークがやっと対応している程度なのは、そういうことだろう。何せ、AVX-512FのSDKは1年以上前から公開されていてこれなのだから。(当初Skylakeに実装される予定だったため)

この点を踏まえると、RYZEN 7 1800Xが映えるのも仕方がないと言える。
もちろん、AVX-512F対応ソフトウェアが増えれば、性能が劇的に上がるソフトもあるだろうから、そういう意味で買うという価値はあるが、AVX-512Fをすぐに必要とするアプリケーションがどれほどあるかは微妙だ。


<バランスはRYZEN 7 1800Xという点から言えること>

Skylake-X世代の本当の敵は、RYZEN Threadripper(16コア/32スレッド)であり、このXプラットフォームで搭載される本命は、Intel Core i9-7980XE(18コア/36スレッド)である。ただ、RYZEN7と5が予想以上に強く、2コアリードしないとIntelはRYZEN Threadripperを追い抜けないと踏んだわけだ。そこで、急遽このラインで、RYZEN対抗を行ったようだが、今のXコアでの発熱や電力特性などを考えると、少し歩が悪い。

AVX-512Fを使うアプリケーションが沢山あれば、それも埋められるのかもしれないが、そもそもAVX2.0(256)を多用するアプリケーションも沢山あるとは言い難い。Long SIMDは長くなるほど使いどころが減るため、効果は下がる上に、OpenCLやCUDA、GPUが持つ動画のエンコードデコード支援など他のCo-Processing Unitに肩代わりされるケースも増えているから、物理演算など先端のビジネスクリエーター用ぐらいでしか、多用されることはない程になった。

だから、大差は出にくく、AMDがバランスで有利になると見られる。


<昔見た何かと同じなら、Intelは暫く厳しい>

2006年頃までのIntelがこんな流れだったことを考えると、10年周期の終わりだ。ちなみに、AMDはその前の10年で大きく成長した。抜きつ抜かれつではあったが、良いライバルだった。今回の7900Xを見て思うのは、それが復活したということと、Intelはちょっと焦りすぎているという印象だ。

Coffeelakeの6コアを出して対抗し、Kabylake-Xという中途半端な製品は出さない方が、市場的には良いイメージになった可能性が高い。結局、Kabylake-Xが熱いだけのプロセッサに見えたことで、Skylake-Xファミリーのイメージを落としている。

一方で、AMDは間違いなくこれから当分の間はIntelの牙城に食い込める自信を持っているだろう。RYZEN Threadripperは、今の7900XとRYZEN7の関係をみれば、発熱も悪くない流れになる可能性が見えたからだ。16コア/32スレッドで余裕という流れを示せる。


Intelは製造余力や資金力などパイが結構あるだけに、下から追われると、ラインナップの層を過剰に厚くして、対抗する傾向があるが、それが逆に後の失敗作(黒歴史)を生むことも結構ある。今回、何となく後にそう呼ばれるプロセッサがこのラインナップの中にあるかもしれないと思えてくるのは、バランス感覚でRYZENを際立たせたからだろう。

性能が多少低くても、コストパフォーマンスが良ければ、実はそっちの方が評価が際立つということだろう。
Intelは性能は高いが、少し熱く、値段も高いと思われると、きっと苦しむだろう。その姿が昔のPentium XEとPentium Dを彷彿とさせる。

まあ、私としてはこれは良いことだと思う。ライバルのプロセッサメーカーがいるから、競争が生まれるのだから……。ただ、Intelにとっては厳しいだろう。この流れは、たぶん1年じゃ終わらないだろう。次の本格的な世代交代は、Icelake(2019)だからである。一方で、ZENは来年にはZEN2へと更新される。
そう考えると、潤沢な製造ラインが準備出来るなら、暫くAMDが市場を広げる流れが続くだろう。

むしろ、そうであって欲しいと思う。
ちなみに、エンスージアストの本命となる16コア以上の製品は8月(Intelの一部製品は9~11月頃迄)には両社とも全て投入されると予想されているが、未だにIntelは7980XEの詳細仕様を発表していない。それだけ、このプロセッサの投入は、急に決まったと言うことだ。
https://www.intel.com/content/www/us/en/products/processors/core/x-series/i9-7980xe.html


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