Auの2016年スマホタブレット春モデル 3機種スペック(公式より詳しいかも)
この2016年春のAu製品には正直がっかりである。価格を抑えてそこそこの製品しか出さないというのは、学生や新社会人をターゲットにしたシーズンだからとも言えるが、割賦の抑制による控えもあるのだろう。本来なら、今こそ変化の時期であり、攻めるべきだが、準備ができなかったのか・・・それとも、もう守りに入るのか?
廉価品を出すにしても個人的には、Huawei Mate SとMate 8のような製品を期待していたが・・・。これは弱すぎる。
ちなみに、今回からGPUの演算器の数(Unit Num/器数)を追加した。同じブランドのGPUではクロック以外の差が分かり難いので、記載することにしたのだ。実はクロックの差は僅かでも、性能は劇的に違う物もある。それを決めるのはこの数である。
ただし、数字が多いほど陰影処理の並列パフォーマンスは上がるが、同じブランドの製品でなければ、比較はできない。具体的に言えばAdreno同士なら良いが、KIRINが搭載するMaliの数字と比較して、Maliが例えば倍あったり、1/2だったとして、性能が1/2になったり、倍になるということではない。また、コア数そのものを示すものではない。これは演算の仕組みや公称されている演算器の数え方が異なるためである。
評価を言えば、京セラのKYV37は安い。性能もそれなりで、ビジネスなどで使うには良い製品だと思うが、5GHz帯域の無線LANに対応していないのが、マイナスである。個人的な印象として別にACまで対応しろとは言わないが、5GHz無線はそろそろ必須であって欲しい。メモリは十分あるので、実用に困ることはないだろう。3Dゲーム向きではない。
タブレットは、防水や防塵に対応していないので注意して欲しい。また、テレビも搭載されていない。そういう製品を望むなら、Xperia Tablet辺りが良いだろう。これも価格としてはそこそこと思う。バッテリ容量が多いため、実用性は高いが、省電力機能がないのが気に掛かる。Android6.0になれば、それも標準で搭載されるので、気にすることはないが・・・まさかQua TabはAndroid6.0に対応しないと言うことはないよね?Auさん。
AQUOSは、よく纏まっているが本当に勿体ない製品である。コスト面の問題があったとしても、指紋認証などの生体認証機能は搭載すべきだった。カメラ機能は高性能でリコーイメージングのGR認証を受けているだけある。ちなみに、GR認証はメインカムのみである。小さくまとめたのに生体認証がないというのは残念である。ただ、春モデルとしては最も性能が高いため、カメラをよく使う人には良いだろう。尚、このSHV33はバッテリ容量が前のモデルより増え、通話時間は伸びているが、待受(受信待機状態)での時間は短くなっている。これは、ディスプレイが、4.5インチから4.7インチになったことと、High Speed IGZOの影響、そしてCPUの64bit化に伴う消費電力の増加が発生したためであろう。もう一つ問題があるが、後半で書く。
製品種別 | スマートフォン | タブレット | スマートフォン |
製品名 | Qua Phone KYV37 | Qua Tab 02 | AQUOS SERIE Mini SHV33 |
開発メーカー | 京セラ | Huawei | SHARP |
OS | Android 5.1.1 Lolipop | Android 5.1.1 Lolipop | Android 5.1.1 Lolipop |
SoC(チップセット) | Snapdragon 410 (MSM8916) | Snapdragon 615 (MSM8939) | Snapdragon808 SC (MSM8992) |
CPU | Cortex-A53×4※1 4コア、Quad Core | Cortex-A53×4 ※2 Cortex-A53e×4 ※2 8コア、Octa Core GTS | Cortex-A57×2 1.8GHz Cortex-A53×4 1.4GHz 6コア、Hexa Core GTS |
Architecture | ARMv8-A | ARMv8-A | ARMv8-A |
RAM | 2GB LPDDR3 (4.2GB/s) | 2GB LPDDR3 (6.4GB/s) | 3GB LPDDR3 (14.9GB/s) |
ROM(記憶域) | 16GB | 16GB | 16GB |
GPU 陰影処理エンジン | Adreno 306 USM3 | Adreno 405 USM4 | Adreno 418 USM4 |
GPUクロック(最大) | 450MHz | 550MHz | 600MHz |
Unit Num | 24 | 48 | 128 |
API_OpenGL ES | 3.0 | 3.1 | 3.1 |
API_OpenVG | 1.1 | 1.1 | 1.1 |
API_OpenCL | 1.1EP | 1.2FP | 1.2FP |
API DirectX Graphics 3D | 11.1 | 11.1 | 11.2 |
API DirectX Graphics FL | 9.3 | 11.1 | 11.1 |
ディスプレイ サイズ 解像度 DPI/PPI タッチスクリーン 強化パネル コントラスト比 その他 | HD TFT 5.0インチ 1280×720 293.7ppi マルチタッチ Dragontail X | FHD-IPS 10.1 1920×1200 224ppi マルチタッチ - 3モードカラープリセット 広視野角160度 | High Speed IGZO-TFT 4.7インチ 1920×1080 468.7ppi マルチタッチ - 複数プリセットカラー ベールビュー、120fps(倍速) |
メインカメラ 画素数 センサー種別 F値 解像度 動画解像度 最大フレームレート 手ぶれ補正 | 12.97MP CMOS 4160×3120 1920×1080 30fps デジタル | 7.99MP CMOS 3264×2448 1920×1080 30fps なし | SHARP RJ63 Series? 12.78MP TOSHIBA T4K82かな?※3 F/1.9 4128×3096 3840×2160 120fps(DR:2100fps※4) 光学/デジタル |
メインカメラ機能 オートフォーカス タッチフォーカス C-AF デジタルズーム パノラマ ジオタグ HDR 顔認識 露出補正 セルフタイマー ISO感度 ホワイトバランス シーンモード マクロモード フラッシュ機能 | ○ ○ ○ ○(4倍) ○ ○ ○ ○ ? ○ ? ? ○ ○ LED | ○ ○ ? ○(6倍) ? ○ ? ? ? ○ ? ? ? ? LED Light | ○ ○ ○ ○ (8倍) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ LED Flash |
自撮りカメラ 画素数 センサー種別 F値 解像度 動画解像度 最大フレームレート | CMOS 2MP CMOS | CMOS 2MP CMOS | SHARP RJ65 Series? 5MP BSI CMOS 24mm RJ65と仮定してF/2.2か? 2960×1920? 1920×1080? 30fps? |
DSP クロック周波数 | QDSP6V5 600MHz | Hexagon V50 700MHz | Qualcomm HexagonV56 800MHz |
FDD-LTE 通信モード TDD-LTE L1 Down Link L1 Up Link | MDM96xx?QC360 LTE cat.4/Cat.2 WiMAX2+ 150.8Mbps(Cat.4) 25.5Mbps(Cat.2) | MDM96xxQC360 LTE Cat.4 WiMAX2+ 150.8Mbps 25.5Mbps | MDM96xxQC360 LTE Cat.6 WiMAX2+ 225Mbps 25Mbps |
3G | 海外のみ(UMTS) | × | 海外のみ(UMTS) |
GSM対応 | ○ | × | ○ |
Wireless LAN (Wi-Fi) | IEEE802.11 b/g/n | IEEE802.11 a/b/g/n/ac | IEEE802.11 a/b/g/n/ac、MU-MIMO |
Bluetooth | 4.1 | 4.1 | 4.1 |
NFC/Felica 赤外線(IrDA) Miracast HML(HDMI) | ○/○ × ○ × | ×/× × ○ × | ○/○ × ○ × |
ラジオ機能 ワンセグ機能 テレビ機能 | × × × | × × × | × ◎ × |
高度認証機能 指紋認証 顔/虹彩認証 | × ×※5 | × ×※5 | × ×※5 |
方位位置センサー A-GPS GLONASS Baidu Galileo QZSS Digital Compass | IZat8C ○ ?(IZATは対応) ?(IZATは対応) × × ○ | IZat8C ○ × × × × ○ | IZat8C ○ ? ? × × ○ |
環境センサー機能 光 加速度 圧力/気圧 ジャイロ(傾き) 近接 磁気 | ○ ○ ? ○ ○ 不明(Hallかな?) | ○ ○ ? ? ○ ? | ○ ○ ○ ○ ○ 不明(Hallかな?) |
防水 防塵 耐衝撃 | ○(IPX5/8) ○(IP5X) ○※6 | × × × | ○(IPX5/8) ○(IP6X) × |
USB 端子形状 | USB2.0 MicroUSB | USB2.0 NicroUSB | USB2.0 MicroUSB |
ヘッドフォン/マイク ハイレゾ対応 | Stereo Mini/× × | Stereo Mini/× × | Stereo Mini(マイク兼4芯) ○ |
SDカードスロット | MicroSDXC (200GB UHS-I?) | MicroSDXC (128GB) | MicroSDXC (200GB UHS-I) |
UIM/SIM Card | Nano-SIM×1 | NANO-SIM×1 | Nano-SIM×1 |
バッテリ容量 | 2200mAh | 6500mAh | 2810mAh |
充電時間 | 130分 | 320分 | 130分 |
通話時間 | 960分 | - | 1350分 |
受待時間 | 590時間 | 1050時間 | 490時間 |
通信・利用時間 | - | - | ワンセグ(9時間50分) |
バッテリ交換 | × | × | × |
ワイヤレス充電 急速充電 | × CS仕様上は対応 | × CS仕様上は対応 | × CS仕様上は対応 |
寸法(mm) | 146×72×7.9 | 259×156×8.6 | 126×66×8.9 |
重さ(g) | 132g | 486g | 120g |
色選択 色 | 3色 アイスブルー シルバー ブラック | 3色 エアリーブルー パウダーホワイト チャコールブラック | 4色 スカーレット(赤) ホワイト サファイア(青) ブラック |
予定価格 | 2万円台前半? | 2万円台中盤~ | 未定 |
国内発売予定 | 2016年2月上旬 | 2016年2月中旬 | 2016年1月下旬 |
その他 | Smart Sonic Receiver、 Auシュアリンク | Auシェアリンク Super Wide Sound | グリップマジック、 エモパー3.1 |
※1.2GHz動作。※2 A53が1.5GHz、A53eが1.2GHz。※3 あくまで予測だが、Bright技術と、4K2K出力、高速出力を考えると東芝かソニーのどちらか。※4 デジタル処理でスーパスロー撮影時FWVGA(858×480)の最大、FullHD撮影はデジタル時1200fps。※5 顔認証はOS標準で簡易対応。虹彩非対応。※6 MIL-STD-810G Method 516.7:Shock-Procedure IV
<SERIEで4K撮影対応なのにROM容量が少ない>
いつから書いているか忘れたが、もうこの記載は何度もしている。いつになったらROM(フラッシュメモリ)の容量が増えるのだろうか?それでも、国内では、MVMO向けSIMフリーの128GB製品も他国より遅く登場するが、16GBというROM容量はSERIEとは思えない。
機能としていくら4Kが撮影できても、ROM側の容量が16GBしかなければ、長い撮影はできないはずだ。SDカードを増やせば済む話とメーカーは思っているのかもしれないが、最近はアプリケーションソフトのデータ量も増えているため、16GBでは苦しいことも多い。(しかも、国内の三キャリアはプリセットアプリが多い)最低でも32GBぐらいはないとSERIEとは言い難いと思うが・・・。
今後、基本性能はカメラが4Kというだけで売らず、カメラが4KになったらROMもそれ相応に必要だと踏んで開発するべきである。搭載できる最新機能を付け続けるのも良いが、もう少しコンセプトとテクノロジのバランスを考えるべきだろう。
今回の機種はどちらかというと、Quaを売りたいのだと思うが・・・これが買いですとはどうしても言えない。それは、Auのスマートフォン契約プランの問題でもある。正直、中途半端な製品を売れば、シェアは落ちるだろう。だからといって、価格が高い製品を売れば、十分なシェアは取れない。
本来は、Google Nexusが持つトレンド(指紋認証など)を確実に搭載し、後はワンセグやFeliCaなど日本での実用性をカバーしていくことの方が本来は重要である。使い方によっては、CPUはSnapdragon 410でメモリは2GBだが、指紋認証とFeliCaに32GBや64GBのROMでも良いのだ。性能が十分という場合、チップセット側(CPU)の性能であることも多い。3Dゲームなどをしなければ、性能はプロセッサ性能がそこそこでも使えるからだ。そういう点で見れば、その分を生体認証等に投資する方が製品としてはバランスが良いと思うが・・・。
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