Windowsスマホを待っているのは、消費者よりも・・・?

昨日のWindows 10 Partner Device Media Briefing(PDMB)でのマイクロソフト社とパートナー企業の発表で、多くの人はLumiaの国内販売を期待したはずだ。しかし、多くの記事タイトルがまるでLumiaも出るかというようなタイトルでありながら、提携ベンダーからの発売を示すものだった。これは、当然と言えば当然だろう。今Lumiaが出てしまえば、国内市場はLumia一辺倒になる恐れが高いため、ある程度先行メーカーに市場を獲得して欲しいというのが、マ社の方向と思われる。そして、マ社はグローバルハイエンドのみに注力して市場投入するというのが目標と思われる。そう考えると、全社の製品が出そろい市場の評判がはっきりする時期を見極めるため、来春のLumia発売もない可能性が高い。早くても来年秋以降か再来年になるかもしれない・・・。

<スペック期待が高くなるのはVAIO Phoneぐらいか?>

今回登場する製品の多くは、Snapdragon 400系(性能が低ければ200系もあるかも)を使う製品が多いだろう。そのため、スペックだけで見ればどれも大差はないと思われる。もし、上位があっても600系をVAIO辺りが投入すれば凄いといったところである。これは、今の段階ではハイエンドよりビジネスマン/ビジネスウーマン向けの業務スマホとしての提案が強いからである。そのため、最初に登場する製品は性能面や機能面ではあまり期待出来るものではないだろう。これに挑戦できるとしたら、PCでのエンターテイメント実績とAndroidで批判を受けたVAIOぐらいが、最初から尖った品を出せるかどうかになる。

<キャリアフォンは間違いなく開発中だが、たぶんサプライズでいつ出るかは分からない!?>

国内のどのキャリアフォン(京セラ、ソニーモバイル、シャープ、パナソニック、富士通など)が最初に参入するかが本格普及の鍵となるが、それについては出てこなかった。多くの人はこれを悲観しているだろうが・・・。このPDMBで登壇した6社はパートナーであるが、全ての開発メーカーではない。なぜなら、少なくとも1社は開発していながらパートナーとして登壇していないからだ。

将来的に開発をする可能性がある企業は、京セラと富士通だろう。特に富士通がIS12T(当時は東芝ブランド)の後継を出さないというのはないだろう。いつかは必ず出すと思われる。しかも、ヒューマンセントリックエンジンは今のAndroidよりWindows Helloの機能に完全にマッチするため、これにテレビ機能やおサイフケータイ(Felica)などの機能が載せられれば、ビジネスも個人市場もリードできる可能性が高い。アプリケーションは、UWPのお陰でPCとの共有が可能となり後から付いてくる可能性が高いからだ。Androidでは苦しい立ち位置だが、スペック面でもきっと最初は性能が低いであろうWindowsスマホ市場で、極端に最高性能を競わず発熱を抑え、多機能化すれば富士通がWindowsスマホのリーダー格になることもあり得るのだ。

そして、開発していながら登壇しなかったメーカーが、京セラである。既にWindows Phoneを海外の見本市では展示している。即ち、今回は入っていないが厳密にはタフネススマホ(Hydro系)で既に開発が進んでいる。これは、通信キャリアとの守秘があると思われ、PDMBでは発表されなかった可能性が高い。間違いなく、京セラはすぐに国内参入するかどうかは不明だが、ビジネス向け提案で出してくる可能性は高い。

パナソニックもAndroidではカメラベースのスマートフォンを開発して限定販売するようなことはしている。WindowsPCも開発しており、細々と復活する可能性はある。

ソニーモバイルとシャープは今の段階では不明である。確率としてはこの2社がWindows系のスマホを出す可能性はまだ低い。理由は単純だソニーグループはVAIOを分社し、テレビ事業などをAndroidベースに置き換えている。その状況でWindowsを売るのは得策ではない。もちろん、風向きが変わっていると判断して、流れをぶった切りWindowsにも浮気する二刀流を目指すことも出来るが、今のソニーはやらないだろう。(やれば少なくとも私から見ればソニーの評価を上げる)シャープも同じでAndroidに傾倒している。財務がより悪いため、市場が未知数のWindows参入は今はないと思われる。そもそも、SHARPはAndroidのアップデート姿勢さえまともなら、Androidだけでソニー以上に国内なら売れるメーカーだったのだが・・・。

<これから出る記事次第でスマホ市場は大きく変わる>

日本だけでみるとiPhoneシェアが高いことが、むしろWindows Mobileにとってはとても成功するには都合が良い市場だと思っている。個人的な見解であるが、AndroidユーザーからWindows Mobileに多く移るかというと、すぐにはそうそう伸びないだろう。理由は、カスタマイズ性の高さがAndroidの売りであり、ホームメニューを全面的に変更することも出来る。これは、Androidだから出来ることだ。OSとしての特色である。また、rootを取ることも推奨はしていないが、禁止もされていない。(メーカーのサポートは失う)これは、Google Androidという製品がオープンソースだからである。まあ、セキュリティ面などの不安はあるが、Windows Mobileにするなら、iPhoneでもよい話である。

それに対して、Windows MobileとiOSアプリケーションプラットフォームもハードウェアプラットフォームも互いに意識する姿勢が強い。そして、iPhoneはAppleからしか登場していない。

そのAppleのみが、Windowsにとってはとても価値のある攻撃目標なのだ。Androidを使う物は、意識的にAndroidの良さとバリエーションを選択するが、iOSを選択する人は、Androidを不安視から選択肢をiPhoneに狭めている。不満はなく満足はしていても、もっと良い物があれば欲しいはずだ。何せ世間にはiPhoneばかりが溢れている。iPhoneが毎年モデルチェンジしていく中で、多くの記事が褒め称える内容を見、さらに価格も高くなっている。違和感を感じることも既に増えているはずだ。要は、記事が盛りすぎなのだ。また、Androidはセキュリティ面などで心配があり、しかも操作性に統一感がないという記事まで出ていると、iPhoneを使う人はAndroidなど買いたくもなくなる。

結果的にマンネリ化し、選択肢が安いからiPhoneだった時代とは違い、高くてもiPhone一筋になっている訳だ。そこに登場するのが、UIも統一されサポートも良さそうなWindows Mobileである。日本市場は暫くお留守にしていたので、イメージもリフレッシュされ新しい。メーカーも各社から登場する。セキュリティイメージもPCを考えると悪くない。

後は、記事次第であるが、iPhoneにはない選択肢と、AndroidにはないUIの統一と高いセキュリティイメージが存在する。これが、強みになる。記事も書きやすい。即ち、OSの設計などに大きな過ちがなければ、Windowsはシェアを取れるということだ。要は、心理的な欲求に対して、高評価の記事が出ることがあれば、徐々にWindowsがある程度のシェアを持つことは容易に想像できる。

<記事書きにも有望な市場>

私は、Android中心でここに書いてきたのであまり関係ないが、iPhoneばかりを書いてきた人には、嬉しい新市場だろう。何せ、彼らはAndroidを評価出来るほどの記事は書けないが、iPhoneの記事を書くにはAndroidと比較しなければならず、書きにくかったはずだから・・・。多くのiPhoneユーザーはAndroidは使いにくいというイメージやセキュリティが甘く危険というイメージを持つ。(実際にそうなのかというと、使い方次第である)これは、日本ではAndroidを中心に使う記事書きが少なく、さらに需要が少ないからである。多くのAndroidユーザーは自立心で勝手に頑張る傾向も高いため、Android記事はiPhoneに比べて日陰にある。もう少し簡単に書けば、Androidの方がカスタマイズ性が高いため、iPhoneから入った人や、Androidを嫌って途中で辞めてiPhoneに移り慣れた人は、Androidを使いこなすのは難しくなる。その理由は、iPhoneなら当たり前の操作性が、Androidではカスタマイズの一部だからである。特にUIは頻繁に変化するし、バージョンによって違ったり、さらにハードによって違うこともザラである。だから、iPhone中心にみるとそれを欠点として書かざる終えない。

それがマンネリに繋がり、Android vs iPhoneの喧嘩になる。別にどちらも使い勝手を知っていれば良いところなのに・・・。記事書き自身がお互いの違いをこのシーンで良く、このシーンで悪いと分かっていないのだ。

例えば多くの場合で指摘されるホームメニュー(Home UI)である。iPhoneがマンネリだからとUIを変更すれば、多くの人はiPhoneの操作性に戸惑うことになる。これは、Windows7と8の関係で起きた現象だ。しかし、Androidでは少なくともHome UIはメニューアプリというアプリケーションで変更可能であり、好みのランチャーに変更できる。Windowsでも7ベースのUIに変更するソフトがあるのと同じだ。即ち、新しいハードを買っても好みのホームアプリが、新ハードのAndroidバージョンやハードウェア機能に対応していれば、その好みのホームアプリに変更できるのだ。Google Playでの検索方法さえ知っていれば良い。家族で同じものにするのもある意味では簡単である。要は、ワンステップが余計か、それとも好ましいかの差である。

簡単な統一性のあるOSを使う記事書きにとっては、カスタマイズが売りのAndroidとの比較は難しい。結果的に、同じiOS内でのバージョンアップなどをそこそこ誇張して書くようになる。ここに統一されたUIでしかも、日本には暫く製品が存在しなかったWindowsが参入してくれば・・・Androidと比較する必要もなく、しかもApple対Micorosoftと書きやすい。最近は、Surface系とMacBook系のライバル対決も書かれることも多いが、それは単純比較が容易にできるからである。

実は、Windowsの参入を望むのは、消費者より記事を書く側である。別に消費者はiPhoneやAndroidに不満を持っていない。しかし、記事書きは如何に共感を得られるか、記事を見て貰えるかという点で、iPhoneの毎年の更新だけでは食っていけないことが分かり、そしてAndroid相手には記事が書けないことも理解している。だから、Windowsが出れば嬉しいのだ。

 

既に、世界ではスマートフォンに関して、新しい製品が出てもインパクトはなくなりつつある。しかし、日本はWindows Phoneが7系以来長らくお留守をしていたので、何か新しいことをしてくれそうなOSとしてWindows Mobileが目立つ記事となっている。まあ、実際にどうなるかは、蓋を開けてみないと分からないし、最初から爆発的に売れるような魅力ははっきり「ない」といって良いだろう。ただ、2年後ぐらいに買い換える際にiPhoneやAndroidからの買い換えの選択肢として、中間的な位置づけのWindowsがあるのは、嬉しい選択肢の増加だろう。その頃前に、廉価なせいひんだけでなく、国内向け機能が充実した機種など様々な機種が生まれていることを願う。

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