バドワイザーと、ペローニやミラーが一つになるのか・・・?

昨日は、DellがEMCの買収をという話だったが、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)のSABミラー買収は合意に達したようだ。これは12.5兆円という巨額買収である。ちなみに、ABIは2008年に米アンハイザー・ブッシュとインベブが買収合併してできた企業である。単体でも世界最大手だが、2位のSABミラーを買収してさらにシェアを大きくする見込みである。
http://www.cnn.co.jp/business/35071876.html?tag=top;subStory


というのは、あくまで合意した内容だけの話だ。厳密には3位のハイネケンとの差を考えると、規制当局の合意が獲得できるかが、まだわからない。これが、ハイネケンとSABミラーなら通るだろうが・・・。

ちなみに、日本はアサヒビール、キリンビール、サントリーを足しても5位入賞もないほどシェアはない。ビール市場はトップ3で世界市場の約4割を握っており、ABIだけで2割を超える。2位が1割弱という状況だから、世界シェア9位のキリンでさえも2%程度しかしない状況では、日本勢(アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー)が束になってもビール市場では5以内に入るのは無理である。


<日本に大きな影響はないが・・・関係企業は大変か?>

今の段階で日本市場に大きな影響は無いだろう。そもそも、これらの企業のシェアは日本では低いからだ。

将来的により上の企業に買収提案されることはあるかもしれないが・・・基本的に日本の酒造メーカーはビール系だけではなく、酒の名の付くものに全般的に投資しているため、これだけでどうこうなる話ではないだろう。

まあ、飲料で影響を与えるとしたら、コカ・コーラ(The Coca-cola Company)に何かがあったときぐらいだろうか?清涼飲料では日本コカ・コーラは国内最大手であるため、親が買収などをすれば影響がでる可能性はある。しかし、ビール系の最大手は、日本とはほど遠いほどでかい市場で行っている現象である。強いて言えばキリンバドワイザーに影響がでるかどうかぐらいだろうか?

では、影響が出るであろう海外はというと、米国や欧州等高いシェアを握る地域では規制当局の審査が本格化し、一部他社との合弁やボトラー関係の見直しが必要になるかもしれない。これは、市場の適正な競争関係を維持する上でとても大事なことであるため、こういうつながりがある企業にとっては、目が離せない話題であろう。



食品や飲料の場合は、DellがEMCを買収する話のようには行かない。正直、食は味覚への影響があるため、自分にあった飲み物や食べ物を人は買うのだ。だから、買収される当事者と関係のある企業でなければ、強い影響が発生することはないといえる。
ただし、それによって他の企業の再編が進むなら、それに巻き込まれる可能性は十分にある。

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